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顧客層の拡大、業績V字回復、職人の夢……M&Aの当事者が語る、オールハーツグループ参入によるブランドの変化と想い。

斎藤友宏 / 反町美紀 / 古井戸和憲 事業部長 & 商品開発課
Posted : 2020.04.03

オールハーツ・カンパニーには複数のブランドが存在しています。

ご存知マジカルチョコリングの『Heart Bread ANTIQUE(ハートブレッドアンティーク)』、ケーキと焼き菓子の『PINEDE(ピネード)』、なめらかプリンの『Pastel(パステル)』、京都のパン好きを唸らせる『GRANDIR(グランディール)』、バラエティ豊かな街のパン屋『LE BENKEI(ル・ベンケイ)』、パン職人のこだわりの結晶『baguette rabbit(バゲットラビット)』、かわいいシルエットの高級食パン『ねこねこ食パン』。

このうち5ブランドは、すべてM&Aによって外部からオールハーツ・グループに加わったものです。

M&Aと聞いて、みなさんはどのような印象を持つでしょうか? 運営が変わるだけでしょ、という方もいれば、ブランドそのものへの興味がガラリと変わる方もいます。事実、運営元が変わるということは、ブランドの根底に影響を与える重大な事態。どれほど素晴らしいブランドであっても、M&A後にファンが離れていったケースは枚挙にいとまがありません。

オールハーツ・グループに入ったブランドはどうだったんだろう? どう変わったのか? 伸びているのか? お客さまはついているのか? 中の人の思いは?

……気になりますよね?

そこで! 実際にオールハーツに参入した3ブランドの担当責任者の方に、M&A前後についてお話を伺ってみました。

写真右から/ Pastel(以下パステル)事業部長:斎藤友宏/PINEDE(以下ピネード)事業部長:反町美紀/baguette rabbit(以下バゲラビ)商品開発課(元オーナー):古井戸和憲

社長の田島(写真一番左)も気になる様子で聞き耳を立てていますが、主役はこの3人。M&Aに踏み切った理由からその後の話まで、ざっくばらんにお話しいただきました。


 

─ M&A当時の各ブランドの様子と、当時のお気持ちを教えてください

パステル 斎藤:パステルは、元々1998年になめらかプリンでブレークして、一気に坂を駆け上がっていったブランドです。しかし売上が頭打ちとなり、徐々に落ちていく状況に対応できる改革を打ち出せなかった。しがらみも少なくありませんでした。そして長く赤字に苦しんで、打ち手に困っていたところでオールハーツの仲間入りをしたんです。2018年の8月でした。

なめらかプリンのパステル (http://pastel-pudding.com/)

私はもともと工場でプリンをつくる仕事からはじめて、パステルには22年関わっています。愛着のある、大切なブランド。だから運営元が変わることはむしろ大きなチャンスではないかと思いましたね。もう一度輝けるのではないか、と。

ピネード 反町:ピネードが大切にしている想いは、「買いに行くより、会いにいくケーキ屋さん」であること。記念日や特別な日のご褒美としてケーキを買いに行くのはもちろん、店員さんにも会いにいきたくなる、ホスピタリティを大切にしたお店にしようと1988年に生まれたお店です。三重県の伊勢市が一号店で、少しずつ店舗数を拡大していました。

ピネードがグループ入りしたのは2017年。当時の業績は安定していたし、決して不振というわけではありませんでした。ただ、ピネードというブランドは変わらないことを是としているところがあって、ターゲットもずっと同じ。だから少しずつ緊張感が薄れていって、これ以上は成長できないんじゃないか、という諦めに近い空気があったんです。応援してくれるお客さまのためにも、働いているスタッフたちのためにも、急成長を実現させているオールハーツの一員になることは、とても意味のあることだったと感じます。

バゲラビ 古井戸:僕はバゲラビのオーナーでありパン職人として、2010年に名古屋でバゲラビを開店しました。国産小麦を使って、高加水率のモチモチした食感にこだわって。うちのパンは、様々なパンの製法の中でもかなり難しいやり方をしていて、おかげさまで多くのお客さまに喜んでいただいていたのですが、職人が大変で……。僕が経営していたころは、朝3時から夜の9時ぐらいまで厨房にいました。 スタッフには申し訳ないと思いつつ、手間を省くことができなかった。ベーコンとかも自分で作ってましたからね。こだわりが止められない(苦笑)。

それに、僕はずっと現役の職人だったから。若手の育成に時間を割けなかったし、厳しい労働環境で人も辞めてしまう。そんなときに田島さんと話をする機会があって、一緒にやればいろんなことがうまくいくんじゃないかと思ったんです。それにオールハーツの力を借りれば、ずっと夢だったフランスへの挑戦も叶うかもしれない。うん、それも大きいですね。職人と夢のためにオールハーツに入れていただいた、という感じです。

 

─ 実際、オールハーツ・カンパニーの一員となって、自分たちのブランドにどんな変化がありましたか?

パステル 斎藤:うちはすごく分かりやすくて、赤字からV字回復となりました。M&A当時は1億5000万円ぐらいの赤字があったんですが、グループ加入後にプラス9000万円ぐらいの黒字に。田島社長はそれまでのパステルのイメージを大切にしつつ、本当にダメなところはぶった斬るので(笑)。

田島:ちょっと補足させて。パステルのときは倉庫整理やら色々と、全部で20項目ぐらいのコスト削減プランを全部やり切りました。まずこれが第一。あとは賞味期限の見直しをしてロスを大幅に減らしたことも大きかったです。その上でしっかりPRに力を入れました。

パステル 斎藤:基本的にはバックエンドでの大ナタなので、お客さまは変わらずついてきてくれましたし、元々会社の中の一部門としてパステルは運営されていたので、大きな違和感もなく合流できたと感じています。

ピネード 反町:ピネードはそもそも向き合うお客さまがガラッと変わりました。M&A前はかなり限定した層だけをターゲットにしていたんですが、オールハーツ・グループになって、もっと広く届けようという意識に変わったんです。分かりやすい変化としては、商品開発のスピードが圧倒的に早くなりました。今まで年3回だった新商品サイクルが、毎月季節のフルーツを使うようになった。それに以前はあったPOP等は置かない、という昔のこだわりも消えて、積極的に商品の良さを伝えるようになっていきました。

こういった変化は、特に若いスタッフたちを中心にいい刺激になっています。それにオールハーツ・カンパニーに属しているという安心感とかプライドが生まれたのか、みんなイキイキと働いていますよ。

バゲラビ 古井戸:やっぱり労働環境がしっかりしたのが一番ですね。オールハーツ・グループに準じた労働環境に変わったことで、お店にゆとりが生まれました。僕も家族と過ごせるようになったし、世間を見れるようになった。オーナーだった頃は目の前のことだけに必死でしたから。今は時間を取り戻すように子どもとの時間をとっています。一緒に空手の道場に通ったりして。

……ただ、もちろんストレスはありましたよ。お店の効率性を高めるために、自分が考えた商品を削ったり、こだわり抜いた材料も変更しなくてはいけなかった。苦しみはありました。

田島:最初の頃は、何度も何度も話し合ったよね。

バゲラビ 古井戸:はい。変わっていくことに大きな戸惑いがありましたから。でも、実際に商品を絞ると職人に余裕が生まれるし、利益率も上がってみんなの給料を上げることもできた。僕にはできなかった決断によって、結果が出ていることを実感すると、本当に良かったなと思っています。

 

─ オールハーツ・カンパニーには8つのブランドあります。他のブランドと一緒になることで、どのような影響がありましたか?

パステル 斎藤:洋菓子とパンとは近いようで遠いので、接客とか商品開発の様子を知れるのは大きいです。お店を見にいくこともあるし、教えてもらおうと思えばすぐに聞ける。そこで得た知見をパステルにどう活かそうか考える。他のブランドからはとにかく刺激を受けます。それに、ライバル意識みたいなものもありますね。うちも頑張るぞ! って感じで。

ピネード 反町:あ、そうなんですか? 私は対抗意識とかはあまりなくて(笑)。……でも、ピネードで働いているスタッフが「パンが楽しそうだから、いつかパンのブランドに行きたいです!」みたいに言われると、嬉しいのと同時にもっとピネードで働くことが魅力的になるようにしなきゃ、なんて感じますね。

バゲラビ 古井戸:うちもありますよ。ピネード行きたいって。いやー正直僕も心配になっちゃいますね(笑)。でもそういう道があるのはすごくいいこと。他のブランドに異動できる道があるのって、やっぱりグループじゃないと難しい。逆に、他のブランドでいい子がいたら、うちに欲しいなーって声をかけたりね。

ピネード 反町:分かります。いい人材はどこのブランドでも欲しいですよね。

 

─ 人材の話をもう少し聞かせてください。これまではそれぞれのブランドの商品が好きで人が集まったと思いますが、オールハーツになって、どんな人が来るようになりましたか?

パステル 斎藤:うちは大きく変わらないかもしれません。パステルが好きで、美味しいものを売りたい。そういう人からの応募が来ますね。

ピネード 反町:ピネードが好きな人はもちろんですが、オールハーツが好きで入ってくるスタッフも出てきたと感じます。世界一を目指すっていうビジョンに共感したり、職人というより経営に近いことをやりたいスタッフとかが。

バゲラビ 古井戸:うん、それは僕も感じます。専門学校の講師もちょっとだけやっているからより気付くんですが、純粋にパンだけやりたいっていう職人気質の子はどんどん減っているんじゃないでしょうか。だからオールハーツっていう大きな組織、広い選択肢に魅力を感じてくれる人も増えてきた。

パステル 斎藤:作れない人がいてもいいですもんね。

バゲラビ 古井戸:うん。昔はパンが作れないパン屋はあり得なかったけれど、今の店長はひとつ職能になってきたし、店長だけやりたいというのは今後も出てくるし、オールハーツならできる。

 

─ 最後に、田島社長からオールハーツ・カンパニーとしてのM&Aのスタンスについて教えてください。

田島:僕らがM&Aするときには、まず会社を分析して、買収したら利益がどれくらい出るか想定します。これは会社として当然ですよね。そして重要なのは、ブランドの将来的な可能性と、M&Aによってオールハーツそのものがちゃんと強くなること。僕は会社を大きくするだけのM&Aはやらないと決めています。

たとえばバゲラビはオールハーツにとってどんなブランドかというと、憧れのハイブランド。パン職人が一度はここで修行したいと考えるお店。たとえ多店舗展開できなくても、グループの技術の底上げとなる。ピネードからは高いホスピタリティ、そしてうちが過去に失敗したケーキ屋の繁盛のさせ方を学ぶことができた。パステルはアンティーク同様に全国展開できるブランド力を持っているので、キャッシュを稼ぐ重要な役目があるし、これまで弱かったデザート部分が強化できました。

それに、新しいブランドが入ることって、異文化が混じることでもあるんです。自分たちとは違った考え、違った技術、違ったノウハウが入ってくる。それらを僕らは学び、いいところを取り込み、成長してきました。だからこれからもM&Aには積極的に取り組んでいきますよ。もちろん、お互いにとって、いいブランドになれることが条件で。


いかがだったでしょうか?

オールハーツ・カンパニーのこれまでのM&Aは、数字上ではすべてのブランドでお客さまが増えたり、利益率が向上したり、従業員の待遇が上がったりとポジティブな成果が出ています。

でも、以前からそのブランドで働いていたから当事者だからこそ、変化に感じること、思うことが垣間見えたのではないでしょうか。次はいったいどんな仲間と出会えるのか。これからのオールハーツ・カンパニーの動きにぜひご注目ください。

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